腫瘍随伴症候群とは

がん細胞から分泌される物質の影響や、がんを退治する免疫の働きが他の組織にダメージを与えることで生じるさまざまな症状のことです(下表)。
肺がんは、他の種類のがんに比べて腫瘍随伴症候群が出やすいとされていますが、症状を経験する患者さんは多くても20%程度といわれています1)
がんと診断される前から随伴症候群がみられることもありますが、以下に紹介する症状だけでがんを心配する必要はありません。
ただし、肺がんを心配する要因があり、さらに以下の症状がある場合は、診察を受けましょう。

1)肺癌と腫瘍随伴症候群. 日内会誌. 88(11), 2252-2259, 1999

発熱や体重減少がよく見られますが、肺がんの場合は顔が丸くなることも

全身症状として発熱、食欲減退や体重減少、皮膚症状としてかゆみなどがよくみられる症状です。肺がんで比較的多い腫瘍随伴症候群には、肥満、ムーンフェイス(顔が丸くなる)、食欲不振、神経症状、意識障害などがあります。
以下の表に主な症状をまとめました。

全身 発熱、寝汗、食欲減退、体重減少
皮膚 かゆみ、顔面紅潮
神経 筋力低下、感覚喪失、めまい、視覚の変化
血液 貧血、血小板や白血球の増加
内分泌 高血糖、浮腫、筋力低下、高血圧、下痢
その他 多発性筋炎、関節の痛み

症状の程度や種類によって必要があれば、がん治療とは別に腫瘍随伴症候群の治療を行います。また、抗がん剤(がん治療を進めること)によって腫瘍随伴症候群が改善することもあります。

気になる症状がある場合は主治医に相談を

腫瘍随伴症候群には表に示したほかにも多種多様な症状が知られています。発生頻度は少ないですが、だからこそ何か気になる症状がある場合には主治医に相談してください。症状は軽くても、がんの治療に影響することがありますし、主治医と別の科の医師の診療が必要なこともあります。がん治療に伴う副作用と紛らわしいこともあり、腫瘍随伴症候群は見落とされがちになります。早めの相談が大切です。