PET-CT

PET検査とは、「陽電子放出断層撮影」という意味で、Positron Emission Tomography(ポジトロンエミッショントモグラフィー)の頭文字からPETと呼ばれています。

検査機器は骨シンチグラフィのような単純なガンマカメラではなく、コンピューター処理し、断層写真を撮るようになります。

肺がんの検査でPETが行われるのは、肺がんの確定診断後および治療中や治療終了後に転移の有無や部位を調べるときです。

肺がんのPET検査で広く使用されている放射性医薬品(ガンマ線という放射線を放出するアイソトープを用いた注入剤)は18F-FDG(18F-フルオロ・デオキシ・グルコース)というものです。このため、18F-FDGを使用するPET検査のことをFDG-PETと呼ぶことがあります。

がん組織の多くはブドウ糖代謝が活発なため、FDGはがん組織に集まります。そこから発生するガンマ線をとらえることによって、がんの有無やおおよその位置がわかります。
PET検査では、18F-FDGを注射して1時間ほど安静にした後、PET装置でガンマ線を検出します。

最近は空間分解能を補う目的で、X線CT(通常のCTです)とほぼ同時に画像を撮ることのできるPET-CTが広まりつつあります。PET検査が、「ブドウ糖の取り込み」というがん細胞の働きを画像化するのに対し、CT検査はX線を使って腫瘍の位置や大きさを画像化します。これら2つの画像を重ね合わせること(フュージョン)で、腫瘍の性質(良性か、悪性か)や位置についての詳しい情報が得られます。PET-CT検査の流れはPETだけの場合とほぼ同じで、費用の目安はおよそ10~12万円くらいです(保険適用の場合はこの1〜3割負担)。

PET検査の弱点は、他のアイソトープ検査と全く同じで、グルコースが「がん細胞だけに集まるわけではない」ことです。がん以外のグルコース代謝の活発な組織、炎症部位や正常な脳にもFDGは高濃度に集積します。このため、本当はがんであるのに正常または良性と判断してしまう偽陰性や、正常または良性なのにがんと判断してしまう偽陽性という間違いが起こることがあります。

サンプルの写真をご覧ください。頭部に強い集積がみられます。これは脳組織にFDGが高濃度に集まった結果であり脳転移を示しているのではありません。

その他の部分でも、炎症を起こしやすい部位であれば、PETの結果だけでは「がんである」という診断はすぐには下せません。
逆に、がんであってもFDGの集まらないものもあります。

新しい検査で有用性が期待されていますが、「万能であり、これひとつですべてOK」というわけにはいかないのです。

PETでの全身スクリーニング画像

※矢印はがん細胞を示す