IV期(ステージ4)の肺がんとは

IV期(ステージ4)の肺がんとは

転移性がんです。
転移のなかでも、肺からはなれた臓器(肝臓、脳、骨など)や原発巣とは反対側の肺、胸膜や心膜に転移したもの(遠隔転移)があればIV期(ステージ4)と判定されます。組織型(腺がん、扁平上皮がん、大細胞がん、小細胞がん)やリンパ節転移の有無、がんの大きさは問いません。

胸水(肺と胸壁の間にたまった水)や心嚢水(心膜と心臓の間にたまった水)の中にがん細胞がある場合もIV期(ステージ4)です。

IV期(ステージ4)の肺がん患者さんの5年相対生存率は他のステージと比べ低くなります。
5年相対生存率とは、なんらかの治療を受けた患者さんのうち5年後に生存している人の割合と、同じ性別・年齢の人のうち5年後に生存している人の割合を比べたものです。

IV期(ステージ4)といっても残された時間が限定されるとは限らず、症状があまりない場合は、治療を続けながらこれまでと同じ様に過ごすことができます。

IV期(ステージ4)の肺がんの治療

IV期(ステージ4)の肺がんは、多くの場合、手術は難しいため、治療方法は薬物療法が中心です。

肺がんの薬物療法には、化学療法(抗がん剤)、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬などが使用されます。どの薬物を使用するかは、患者さんの希望や全身状態、組織型、肺がんの原因となった遺伝子変異、免疫の状態、などによって決めます。

以前は、年齢によって化学療法を行うかどうか判断していましたが、高齢でも元気で体力があり、ほかの病気による問題のない患者さんは化学療法を行うことでメリットがあることがわかっています。このため、現在は、患者さんの体力や合併症の有無などによって化学療法を行うかどうかを決めるようになっています。ただし、高齢の患者さんでは、比較的副作用の軽いお薬を使用したり、お薬の数を減らしたりすることもあります。

症状を軽くするために放射線療法を行うこともあります。たとえば、骨に転移があって痛みが強い場合や、脳に転移があって痙攣を起こしたりするような場合です。
脳転移に対する放射線療法には、脳全体に放射する全脳照射と、がん細胞のある部位にピンポイントに照射する定位放射線照射があります。どの放射線療法を行うかは、転移のある部位や患者さんの状態によって決まります。

大量の胸水がたまっているときはそれに対する治療が主体になることもあります。

IV期(ステージ4)の肺がんに対する治療は、症状を軽くし、生存期間を延ばすことが目的となります。