肺がん検査から入院決定までの流れ

肺がんの治療で入院が必要になるタイミングとしては、手術の前後、薬物治療の開始時、体調が悪いときなどがあります。

健康診断や人間ドックなどで肺がんが疑われる所見がみられた場合、主な精密検査として胸部単純X線(レントゲン)検査、CT検査、喀痰細胞診をおこないます。これらの検査で異常がみつかった場合は、確定診断のために気管支鏡検査や胸腔鏡検査など、がんの広がりを調べるために胸部造影CT検査やPET検査などをおこないます。さらに、手術に耐えられる体力があるかを評価するために、呼吸機能検査や心電図検査をおこないます。

手術に耐えられると判定されたI期(ステージ1)、II期(ステージ2)、一部のIII期(ステージ3)の患者さんには手術がおこなわれます。その他の患者さんには、放射線治療または薬物療法あるいはその両方がおこなわれます。
手術をおこなうことが決まったら、手術の1〜2日前に入院することが多いでしょう。

入院時はパジャマや下着、スリッパ、箸やスプーン、コップなど身の回りの物を持参する必要があります。医療施設では、入院時に必要な持ち物や手続きの説明書を用意していることが多いので、医療スタッフに聞いてみましょう。

入院後〜手術までの流れと準備すること

手術のための入院は、一般的には術前オリエンテーション→手術→術後の評価・回復→退院という流れで進みます。入院期間は医療施設や患者さんの状態によっても異なりますが、10日程度です。

術前オリエンテーションでは、患者さんと家族に、手術の内容や流れ、予定時間、術後の状態やどのように回復していくかなどの説明がおこなわれます。手術や麻酔に不安があれば、医師や看護師さんに話を聞いてもらいましょう。

手術後は、傷の痛みや麻酔の影響で、深く呼吸することや痰を吐き出すことが難しくなっています。痰の喀出がうまくいかないと、感染症などの術後合併症にかかる危険性が高まるため、術前に呼吸訓練をおこないます。
喫煙している場合は、禁煙指導もおこなわれます。

肺がんの手術時間は、どのような内容の手術をおこなうかによって異なりますが、2〜4時間程度が多いでしょう。一般的に、切除する範囲が大きいほど手術時間は長くなります。

肺がんの治療費や入院費について

肺がんの治療パターン別の治療費、入院費の目安は下記のとおりです。
ここに示している金額は保険適用前の10割負担額です。保険適用後は1〜3割負担となります。

  • 非小細胞肺がんI期(ステージ1)の手術だけで治療を終えた場合
    胸腔鏡手術費用(約90万円)+入院費(5日間:約110万円)+術後定期検査(12回:約37万円)
    =費用総額約240万円
  • 非小細胞肺がんII期(ステージ2)の手術を受けて、術後補助化学療法をおこなった場合
    肺葉切除手術費用(約160万円)+術後補助化学療法(入院:約30万円、外来3回:約20万円)+術後定期検査(退院後半年間に3回:約7万円)+術後定期検査(退院後半年後〜3年間に10回:約26万円)
    =費用総額約240万円

国立がん研究センター:がんとお金の本
発刊年月日:(2016年11月)

肺がんの治療にかかる費用は高額です。毎月支払った医療費のうち、決められた自己負担額を超えた分を払い戻してくれる「高額療養費制度」というものがあります。

高額療養費制度

治療方法や入院期間、費用には個人差がある

肺がんの治療方法や入院日数、治療にかかる費用は、肺がんのタイプや病期、選んだ治療方法、患者さんの状態などにより個人差があります。ここに紹介した費用は目安としてとらえましょう。
治療費や助成制度については、病院の相談窓口やがん相談支援センターなどでも相談できます。費用について心配のある方は、早めにそのような窓口を利用して相談してみましょう。