限局型の小細胞肺がんと診断され、手術よりも他の治療法が適していると判断された場合の標準治療は、化学療法(抗がん剤)と放射線治療の併用(化学放射線療法)です。

胸部放射線治療

小細胞肺がんの速い進行を抑えるため、「加速過分割照射法(45Gy/30回/3週)」が第一選択です。この方法では約3週間、1日2回の頻度で放射線を照射します。ただし、体の状態やがんの場所などで放射線治療の副作用が懸念される場合には、1日1回の治療を約6週間続ける「定位放射線治療」がおこなわれることもあります。

予防的全脳照射(PCI)

小細胞肺がんは比較的脳へ転移しやすいという特徴があります。限局型小細胞肺がんで、最初の治療で効果が十分に得られた患者さんを対象に、予防的に脳全体へ放射線を照射する治療が推奨されています。この治療は、脳への転移を防ぐことを目的としており、予防的全脳照射(PCI:ピーシーアイ )と呼びます。

この治療で十分な脳転移予防効果を得るためには、薬物療法や化学放射線療法で良好な治療効果が確認されてからできるだけ早期(治療開始から6カ月以内)におこなうことが望ましいとされています。
予防的全脳照射は1回あたりの線量が2.5Gyの照射を10回相当用いることが勧められています。治療期間は約2週間です。(医療施設により異なる場合があります。)

なお、進展型小細胞肺がんの患者さんに対しては、予防的全脳照射による効果が確認されていないため、現在推奨されていません。

参考:

  1. 日本肺癌学会編:肺癌診療ガイドライン2019年版, 金原出版株式会社
  2. 日本肺癌学会編:患者さんのための肺がんガイドブック2019年版, 金原出版株式会社