肺がんの治療選択
肺がんの種類と進行度によって変わる治療
肺がんの標準治療は
- ・がん細胞の種類(非小細胞肺がん/小細胞肺がん)
- ・がんの大きさと広がり(進行度:「病期」「ステージ」とも呼ばれる)
によって異なります。
非小細胞肺がん
肺がんの進行度は
- ・T分類(原発巣のがんの大きさや広がりの程度)
- ・N分類(リンパ節への転移の有無とその広がり)
- ・M分類(遠隔転移の有無)
の組み合わせ(TNM分類)によってⅠA、ⅠB、ⅡA、ⅡB、ⅢA、ⅢB、ⅢC、ⅣA、ⅣB期に分けられます。
非小細胞肺がんの標準治療
- ※実際の治療は、患者さんの状態や病気の進行具合によって異なるため、この通りとは限りません。
小細胞肺がん
小細胞肺がんでは、TNM分類も使われていますが、化学放射線療法もしくは薬物療法の治療選択の面からは限局型と進展型との分類によって検討されるのが一般的です。小細胞肺がんは進行が速いため、手術ができる早期のうちに見つかることが少なく、薬物療法や放射線治療を中心とした治療が中心となり、手術がおこなわれることはまれです。そのため、他のがんのようながんのステージ(I~Ⅳ期)はあまり使われていません。
限局型 |
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進展型 | 「限局型」の範囲を超えて、もう一方の肺や他の臓器にがんが転移している場合 |
小細胞肺がんの標準治療
- ※実際の治療は、患者さんの状態や病気の進行具合によって異なるため、この通りとは限りません。
いずれの治療法も大まかな目安で、患者さんの病気の状態や、全身の状態等によって選択されます。
参考:
・日本肺癌学会編:肺癌診療ガイドライン2024年版, 金原出版株式会社
・国立がん研究センターがん情報サービス
・渡辺俊一他:国立がん研究センターの肺がんの本. 2018, 小学館
監修:日本医科大学 呼吸器・腫瘍内科学分野
教授 笠原寿郎先生
2017年10月掲載/2025年9月更新