定期健診の胸部レントゲンで陰影像が見つかり、PETおよびCT画像検査・気管支鏡下生検を施行。
左肺上葉に2㎝大の腫瘤、縦隔リンパ節腫大、多発骨転移が見られる肺腺がんステージⅣ、EGFR遺伝子変異陽性の診断。
分子標的薬による治療を開始する方針となる。
その当時は自分自身の身体的苦痛もなく、数年前から自覚していた腰痛は年齢からくるものだと思い込んでいたので、深刻さが無かった。
分子標的薬の内服治療を開始した。
副作用が少なく元気でいられたことは心強く、私の毎日の生活が平常心でいられるよう後押ししてくれた。
分子標的薬での治療を続けていたが、少しずつCEAが上昇、髄膜播種の疑いと診断。
内服の分子標的薬と点滴の分子標的薬の併用治療に移行、脳内の影は消えたがCEAは横ばい状態。
分子標的薬が奏効してくれた医療進歩への感謝の気持ちと、幸運にも近くに大学病院があった環境は、私の心の支えであったと思う。
がんとの付き合いも長くなり、改めて生きる意欲が体の奥底からじんわりと湧き上がってくるのを感じる。気長にがんと向き合って行く覚悟ができてきた。
今後は、前向きな生き方をさらに心がけ、患者仲間達と真に共感しあい医療への希望を持ち続けていきたい。