パネルディスカッション 「質問大会」

パネルディスカッション 「質問大会」

質問:
病状が進行してきた時に、以前、副作用が原因でやめた薬に再びトライすることはできるでしょうか

《医師》中川:どんな副作用で中断したかによります。間質性肺炎や強い肝機能障害など命に関わる副作用が出た場合、再トライは難しいでしょう。しかし、皮疹などが原因で中断したのであれば、もう一度、試してみるということはあるかと思います。

質問:
セカンドオピニオンを受けたいが、病院同士・医師同士の横の繋がりがあって、患者にとって不利なことがあるのではないかと心配です

セカンドオピニオンの仕組みについて

《医師》池山:セカンドオピニオンは自費診療です。一般に60分で約2万円です。お尋ねのように横のつながりがあるために患者さんに情報を隠したり操作したりすることはないだろうと思います。ただ、訴訟や裁判の資料にしない、転院を目的にしないということが、基本ルールとされています。
セカンドオピニオンを受け付ける病院によって、主治医の病院を通じて申し込む必要がある場合や、患者さんご本人に資料を全て持参いただいて受け付ける場合など方法が異なります。申込みの後、予約状況にもよりますが、受診まで2週間くらいかかるかもしれません。
また、主治医の説明(ファーストオピニオン)を理解できていない状況で焦ってセカンドオピニオンを求めるのはおすすめできません。自分が何を聞きたいのかをはっきりさせていないと、セカンドオピニオンは一般的な教科書的な話に終わってしまいます。

セカンドオピニオンには時間がかかる

《患者会》長谷川:私の経験ですが、セカンドオピニオンは時間がかかります。主治医に紹介状を書いてもらうのに1週間、申込みから予約日までが2週間、結果を聞いて主治医と相談できるまで、トータルで1ヵ月~1ヵ月半です。
その途中で、決断のタイムリミットが来ることもあるため、必要期間を前提にして、決断すべき時期から逆算をして手続きを始めることが大事です。

医師同士の横の繋がりについて

《医師》中川:医師の世界は狭いので、専門が同じ医師同士はほとんど顔見知りです。馴れ合いがあるのではないかというご心配も理解できます。もしそうであれば、まずそのお気持ちを伝えてから専門医の意見をお聞きになってはどうでしょうか。どちらかが優れているというわけではなく、治験など施設によって違う治療法を選択できる場合もあります。セカンドオピニオンを受けた結果、病院を移ることになったとしても何も心配することはありません。ただし、最初の主治医と転院後も良い関係を続けられることをおすすめします。

質問:
治療がスタートしてからの心の持ちかた。精神的にどう乗り越えれば良いのでしょうか

《患者代表》男性:ステージIVと告知されてから3年5ヵ月が経ちました。告知直後は、ほんとうにショックで子どもと過ごせる時間がどのくらい残っているのか不安でした。治療が奏効して少し落ち着いた気持ちになった時、患者会に行ってみようという気になりました。同じような境遇の人と話すと、医療者からは得られない情報や共感が得られます。それが精神的な安定につながったと思います。

《患者代表》女性:私もステージIVの肺がんと宣告された当初はほんとうに落ち込みました。毎晩、布団の中で泣き、引きこもり状態になりました。ですが、もともと外に出るのが好きな性格なので、こもっているのが苦しくなり、ブログを通して知り合った同じ肺がん患者と連絡をとるようになったのです。病気の話、治療のつらさを話せる仲間が見つかったことで、本来の明るい自分が戻ってきたように思います。今は、楽しく暮らせています。

質問:
薬物治療で耐性が疑われた場合、遺伝子変異再検査や抗がん剤感受性検査を受けるべきでしょうか。また受けるタイミングは

《医師》中川:使用している薬剤によって異なります。
①第3世代のEGFR阻害薬を使用している場合、耐性のメカニズムが明らかではないので検査は必要ありません。
②次の選択肢として開発中の薬を試す場合は、明らかに耐性が生じていると確認するため組織を採取して検査する必要があります。
③第1世代、第2世代のEGFR阻害薬を使用して耐性が疑われる場合は、半数以上のケースでT790Mという遺伝子の変異が原因とわかっていますので、検査でその発現を確認します。組織検査が望ましいですが血液検査でも確認することができます。
④いずれの場合も、検査をおこなうのが早すぎると結果は陰性となります。しかし確実に陽性と出るまで待つと次の治療のタイミングを逃すリスクもありますので、主治医の先生とよく相談して検査をいつ受けるか決めるのが良いと思います。

質問:
告知されたばかりの患者の家族として、どう寄り添うべきかわかりません

患者家族:家族として大事なのは患者本人としっかり話をすることです。本人が何を大事にしたいか、どういうふうに治療したいかなど先生も含めて家族みんなで話をしてください。家族もつらいですが、けんかしないで仲良く治療に向かっていただけたらと思います。