病状や治療内容によっては、食事に関して主治医の判断が必要な場合があります。
適切な食事・栄養については、主治医とよく相談してください。

治療のために大切な栄養素はいろいろとあるようです。一方で、治療中は食欲不振が問題になることも。とっておきたい栄養素と食欲不振対策について、伺いました。

川口美喜子先生
食欲が低下し、食品の摂取が困難なときには
サプリメントを活用するのも工夫の1つです。

監修:川口美喜子先生
大妻女子大学・大妻女子短期大学部 家政学部 食物学科 教授。管理栄養士(医学博士)。著書に「がん専任栄養士が患者さんの声を聞いてつくった73の食事レシピ」(医学書院)。

特に大切なのは、EPAとBCAA

栄養療法として注目されているものには、エイコサペンタエン酸(EPA)と分岐鎖アミノ酸(BCAA)があります。EPAには抗炎症作用や骨格筋の分解を抑制する効果があり、青魚(いわし、さば、さんま)や鮭などに多く含まれます。BCAAは食欲不振を改善したり、たんぱく質が崩壊するのを抑えて合成したりする効果があります。多く含まれるのは、脂肪と皮を除いた肉類や卵などです。これらの栄養素は、不足するとたんぱく質とエネルギーに栄養障害が生じるため、筋力の低下と内臓たんぱく、呼吸筋が減少しやすい肺がん患者さんにとって、とても大切なものです。

EPAやBCAAは食品から摂取できますが、サプリメントなどで補うこともできます。スポーツ選手にとってもEPAやBCAAの効果(骨格筋分解の抑制やたんぱく質の合成など)は重要なため、ドラッグストア、スーパーやコンビニエンスストアのスポーツ選手用のコーナーにサプリメントや飲料が多く陳列されています。食欲が低下し、食品の摂取が困難なときにはサプリメントを活用するのも工夫の1つです。

特に大切なのは、EPAとBCAA

ビタミン、ミネラルも大切。メニューや食べ方の工夫で食欲不振対策を

治療を継続しながら健康を維持するためには、ビタミンやミネラルも欠くことのできない栄養素です。特別に摂取量を増量しなければならない栄養素はありませんが、ビタミンやミネラルが不足すると、体がだるくなったり、口内炎を発症したり、さらには便秘や下痢になるなどの消化器症状が出現したりすることもあります。これらの栄養素を十分とれるよう食事のとり方や内容を工夫すると、体重減少や、体脂肪の増加を抑制する効果が期待できるでしょう。また、外来に通院する化学療法時に食事摂取量が維持できていれば、栄養状態を良好に保ちながら治療を続けられます。

一方で、肺がんの治療中には、食事で十分に栄養をとることが難しくなる場面が少なくありません。

食欲不振には、「食べる喜び」を感じられるようメニューや作り方を工夫し、つらい気持ちを和ませることが対策になる場合があります。また、サンドイッチや具入りおにぎり、飲むヨーグルト、栄養補助食品などの食べやすいもので、不足しがちなエネルギーを手軽に補うようにすることも効果的です。できるだけの工夫をしてみましょう。


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