玉木 彰 先生

診断後、治療前から呼吸リハビリテーションを始めることで、治療後に起こりやすいトラブルを防いだり、より早くベッドから起き上がれるようになったり、入院期間を短縮できたりします。退院後の日常生活でも、以前と変わらない活動ができるようになることを目指して、積極的に体を動かすようにしてください。

呼吸リハビリテーションとは何ですか? その目的とメリットは何でしょうか?

呼吸リハビリテーションとは、呼吸器系の病気や障害を持つ患者さんに対しておこなわれるリハビリテーションです。病気による息苦しさを軽くするだけでなく、体力を戻し、暮らしの中で当たり前にやってきた仕事や家事などの活動を変わらず続けられるようにするためのものです。

肺がんの治療は、体に負担がかかることも多く、治療前から、呼吸リハビリテーションを取り入れて基礎体力を高めておくことが大切です。また、手術などの治療後に起こりやすいトラブルを予防したり、軽くしたりすることができます。

玉木 彰 先生

さらに、退院後の生活においても、基礎体力や筋力がついてくると、自然に心臓や肺の機能も回復して、「元気になった」という実感につながりやすいと考えています。

体力や筋力を維持することは、病気に対する抵抗力を維持することにもつながります。継続して取り組むことで大きなメリットが得られると考えられます。

呼吸リハビリテーションとは、どのようなことをおこなうのですか?

呼吸リハビリテーションでは、主に体力づくり(筋力・体力トレーニング)をおこないます。

入院中や治療直後には、痰が出たり、呼吸がしにくいと感じたりするため、重点的に呼吸機能の回復を目指したリハビリテーションをおこないますが、退院して日常生活に戻った後は、主に体力づくりを心がけることで、換気量(自然に吸ったり吐いたりする量)が徐々に増えて肺が膨らみやすくなり、痛みやだるさなどのがん関連症状も緩和・改善されます。

たとえば呼吸器の病気がなくても、運動不足になると階段を上った時に息切れがするという経験があると思います。そのため下肢筋力を鍛えることで日常生活における様々な活動を楽にするというのが、現在の考え方です。

いつリハビリテーションをおこなうのが良いでしょうか?

肺がんの治療方針に沿っておこないますが、一般的に、治療前からリハビリテーションを開始し、入院期間中から退院後の日常生活に至るまで継続することが勧められています。

特に、退院後に患者さん自身でリハビリテーションをおこなう期間は長く、最も重要と考えられています。

兵庫医療大学リハビリテーション学部 理学療法学科 学科長・教授 博士(医学)専門理学療法士(内部障害)・認定理学療法士(呼吸)・臨床工学技士・呼吸療法認定士・呼吸ケア指導士

(学歴)
京都大学医療技術短期大学部 理学療法学科(現 京都大学医学部人間健康科学科)卒業
大阪教育大学大学院健康科学専攻 修士課程 修了
兵庫医科大学大学院医学研究科生理学専攻 博士課程 修了

(職歴)
星ヶ丘厚生年金病院(現 星ヶ丘医療センター)リハビリテーション部 理学療法士 大阪府立大学 助手
京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 准教授
を経て現在に至る。

玉木 彰 先生

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兵庫医療大学
リハビリテーション学部
理学療法学科
学科長・教授