日常生活の中で行うリハビリテーション

呼吸リハビリテーションをおこなうときの注意点

体力や年齢、症状によってどのような呼吸リハビリテーションが適しているのか異なります。まずは、主治医や理学療法士など専門の医療者に相談してください。
特に、他の呼吸器疾患や内科疾患を併発している患者さんや体力のない患者さん、高齢の患者さんなどは注意が必要です。

呼吸リハビリテーションをおこなう場合に注意が必要な患者さんはいますか?

糖尿病や心臓病など他の病気がある、他の肺の病気を持っている、歩けない・動きにくい、体力がない、栄養状態が悪い、高齢である、喫煙歴が長いなどの患者さんの場合は注意が必要です。

このような患者さんの場合は、呼吸リハビリテーションの開始や導入について主治医や理学療法士と相談する必要があります。

治療後は安静にしたほうが良いのではありませんか? 動いて良いのか心配です。

治療後は体力が落ちているため、体のだるさやさまざまな不具合を感じます。そのため、日常生活での動作がおっくうになることで自然と動かなくなり、これがQOL(生活の質)の低下につながるという悪循環が問題視されています。

体力の有無は治療の効果にも影響するため、積極的に日常の活動性を上げるよう心がけてください。肺活量の低下よりも、体力や筋力の低下が日常生活での息切れの原因となっていることは少なくありません。体力が向上するにつれ心臓や肺の機能も回復して、息切れを感じにくくなります。

近年、健康な成人でもライフスタイルの変化により、1日の起きている時間の大半を座って過ごす「座位行動時間」の長さが問題になっています。健康を保つためにも30分に1回、3分程度(1時間に1回なら5分程度)立ち上がって動くことが推奨されています。

兵庫医科大学 リハビリテーション学部 学部長・教授
博士(医学)専門理学療法士(内部障害)・認定理学療法士(呼吸)・臨床工学技士・呼吸療法認定士・呼吸ケア指導士

(学歴)
京都大学医療技術短期大学部 理学療法学科(現 京都大学医学部人間健康科学科)卒業
大阪教育大学大学院健康科学専攻 修士課程 修了
兵庫医科大学大学院医学研究科生理学専攻 博士課程 修了

(職歴)
星ヶ丘厚生年金病院(現 星ヶ丘医療センター)リハビリテーション部 理学療法士 大阪府立大学 助手
京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 准教授
を経て現在に至る。

玉木 彰 先生
玉木 彰 先生
兵庫医科大学
リハビリテーション学部
学部長・教授