適度な運動量で、体力向上やストレスにも最適なウォーキング。体に負担をかけず、楽しく続ける心構えや歩き方のコツを、専門家の先生に教えていただきました。Vol.3では楽しみながら続ける工夫やコツを紹介します。

園原健弘さん

監修:園原健弘さん
ラバ・チューブ代表取締役。元バルセロナオリンピック50km競歩日本代表、競技者としての経験から、ウォーキングを生かした健康づくりを指導している。

記録することで、続けるモチベーションに

運動は毎日続けることで効果が期待できます。一番いいのは運動そのものが楽しみになることですが、必ずしも目に見える効果がすぐに現れるわけではないので、「楽しく続ける方法が知りたい」という声もよく聞かれます。

そんな方におすすめなのが、「毎回の記録をとること」です。そこで今回は、特におすすめの「レコーディング」方法について、紹介します。

●1日遅れ日記

ウォーキングでは、運動としてより「外に出ること」を楽しみにしているという人も少なくありません。季節の移り変わりを楽しんだり、新しい店を発見したり、歩きながら街の様子を知ることは大きな刺激になり、頭や身体にも良い効果をもたらします。ウォーキングをしながら気づいたことを毎日書き残していきましょう。特に1日遅れで前日にどのくらい歩いたか、どんなことがあったかを思い出しながら記録する「1日遅れ日記」は、頭の体操にもなっておすすめです。

最近は紙の日記の他にも、インターネット上のブログや、デジカメで写真を撮るなど、様々なやり方で記録することができます。ぜひ、自分に合った方法を探してみてください。

ウォーキング

●体重管理日記

がんと診断されてたばこをやめた結果、太ってしまったという人も少なくないと聞きます。また逆に、食欲がなくて痩せてしまったという人も相当いるようです。いずれにしても、しっかり治療を受けられる体づくりのためには、気づかないうちに太りすぎた(痩せすぎた)とならないように、体重管理を行なうことが大切でしょう。

体重測定は、同じ時間、同じタイミングが基本です。ウォーキングの前か後に記録することを習慣にするとよいでしょう。できるだけ毎日測定し、急な増減があった場合は、3日でベストな体重に戻すことを意識して食事や運動を調整しましょう。毎日測っていると、増減の感じが体重計に乗る前に想像できるようになってきますよ。

なお近年では、体脂肪率など体重以外もいろいろと測れる機種が増えてきました。また、腕に装着するだけで血圧や脈拍を簡単に測定し、パソコンやスマートフォンなどでグラフの処理ができるといったような「ウェアラブルコンピュータ」も登場しています。

そうなると、数字だけを追って必要以上に気にしたり、熱中したりする人も出てきます。しかし、あくまでも数字は参考であり、本当の目的は自分自身の体について知ることであると忘れないようにしましょう。

がん治療をきっかけに、将来のリスクに備える

これまでの人生で何かを記録する際には、どんどん成長していく手応えがあったかもしれません。しかし、成人してからのウォーキングは、体全体を鍛えるというより、できるだけ体力をキープし、生活習慣病のリスクを減らすためのものと言えます。つまり「過去の自分」と比べてどう成長したかを見るのではなく、これから未来の自分を予測し、より健康で若々しさを保つことが課題というわけです。

当面は、肺がん治療に絶えうる身体づくりが目下の目的となるかもしれません。しかし長期的には、心身ともに元気に活動し、誰もがやがて迎える老年期まで一生を健やかに過ごすために重要な運動の機会を得たと言えるでしょう。ぜひ、そうした前向きな考えのもと、生活の質を上げ、よりよい人生をおくるために、ウォーキングというシンプルな運動を上手に日常生活に取り入れていただければと思います。