肺がん(非小細胞肺がん)と診断された場合、がんの増殖や転移などにかかわる遺伝子変異の有無を調べる遺伝子変異検査を行うのが一般的です。検査を行う遺伝子の種類にはEGFR遺伝子変異やBRAF遺伝子変異、またALK融合遺伝子やROS1融合遺伝子などがあります。そして、EGFR遺伝子変異やBRAF遺伝子変異が認められれば、EGFRまたはBRAFを治療標的とした抗がん剤(EGFR-TKIまたはBRAF/MEK阻害剤)の治療を、ALK融合遺伝子またはROS1融合遺伝子が認められれば、ALK融合タンパクまたはROS1融合タンパクを治療標的とした抗がん剤(ALK阻害剤またはROS1阻害剤)の治療を検討することになります。

胸部単純X線写真や胸部CT検査で影があり、がんが疑われた場合には、気管支のなかを観察する検査(気管支鏡)や痰にがん細胞が混じっていないかを調べる検査(喀痰細胞診)などを実施し、検体を採取して本当にがんかどうかを確認します。これを確定診断といいます。肺がんはタイプによっても治療法が異なりますから、非小細胞肺がんかどうかを確認することも重要です。

肺がんの遺伝子変異検査は、この確定診断のために採取した検体を用いて同時に行うことが多く、その場合には新たに検体を採取することはありません。なお、EGFR遺伝子変異検査は保険で認められており、ALK融合遺伝子検査、ROS1融合遺伝子検査も検査法によっては保険で認められています。

BRAF遺伝子変異検査においては、現在のところ保険では認められていません。
また近年、がん治療としてがん免疫療法が注目されており、その中でPD-L1という物質が着目されています。肺癌診療ガイドライン2017年度版において、遺伝子検査とともにPD-L1検査も行い、その結果に基づいて治療戦略を考えることが記されています。
なお、PD-L1検査は保険で認められています。