日本における肺がん罹患数は、2017年の推定で、128,700人とされており、非小細胞肺がんの患者さんは肺がん全体の74%を占めます。非小細胞肺がんには病気の原因となるような遺伝子異常が知られており、EGFR遺伝子変異、BRAF遺伝子変異、 ALK融合遺伝子、 ROS-1融合遺伝子などがあります。
これらの遺伝子異常は親からの遺伝子によるものではなく、タバコや生活習慣など何らかが原因となって発生した遺伝子の異常で、がん細胞だけに見られる現象です。

日本肺癌学会では、肺癌診療ガイドライン2017年版の中で、「EGFR遺伝子検査は、非小細胞肺癌におけるEGFR-TKI治療の適応を決定するために行うよう勧められる」と記載し、EGFR遺伝子変異の検査をグレードAで推奨しています。遺伝子変異検査において同学会では「肺癌患者におけるEGFR遺伝子変異検査の解説」(2009年11月改訂)、「肺癌患者におけるEGFR遺伝子変異検査の手引き」(2016年12月改訂)、「肺癌患者におけるBRAF遺伝子検査の手引き」(2018年4月)を作成し、EGFR遺伝子変異検査、BRAF遺伝子変異検査の普及、標準化に努めています。

一方、融合遺伝子の検査も普及しつつあります。日本肺癌学会では、肺癌診療ガイドライン2017年版の中で「ALK遺伝子検査は、ALK阻害剤による治療の適否を決定するために行うよう勧められる」と記載し、ALK融合遺伝子の検査をグレードAで推奨しています。融合遺伝子検査において同学会では「肺癌患者におけるALK融合遺伝子検査の手引き」(2015年9月改訂)、「肺癌患者におけるROS1融合遺伝子検査の手引き」(2017年4月)を作成し、その標準的な手順を示しています。

これらの検査は、患者さん一人ひとりに最も適した治療法を検討する上で欠かせない検査です。非小細胞肺がんと診断され、お薬による治療を行うことになった場合には、遺伝子の変異を調べることで、最も適した治療法を選択することができます。

  1. 公益財団法人がん研究振興財団「がんの統計’17」