非小細胞肺がんの細胞の表面にはEGFR(上皮成長因子受容体)と呼ばれるタンパク質がたくさん発現しており、このEGFRは、外部から刺激を受けると、がん細胞が増殖するのに必要な信号を細胞内に伝える役割を担っています。非小細胞肺癌にはこのEGFRを構成している遺伝子の一部(チロシンキナーゼ部位)に変異が認められる腫瘍があることがわかっています。
変異のなかにはEGFRのスイッチを常時ONにして、がん細胞の増殖を促すものもあります。

EGFR遺伝子変異は、日本人の非小細胞肺がんの患者さん全体の30〜40%に認められます。欧米人よりも日本人などのアジア系の人種、男性よりも女性、たばこを吸う人よりも吸わない人に多く、非小細胞肺がんのなかでも腺がんの患者さんに多いことがわかっています。

日本人に多いEGFR遺伝子変異

また、たばこを吸う人はEGFR遺伝子変異が認められる割合が低い傾向がありますが、腺がんであれば約30%に変異が認められます。たばこを吸わない人で腺がんの場合には約60%に変異が認められることがわかっています。こうしたことから、性別、喫煙歴、がんの種類(腺がん・非腺がん)などの患者背景に関係なくEGFR遺伝子変異検査を実施し、変異の有無を確認する必要があります。

たばこを吸う人とEGFR遺伝子変異の関係