肺がんの転移率

肺がんは比較的転移しやすく、骨、脳、肝臓、副腎、リンパ節などが好発部位です。
転移すると、部位に応じていろいろな症状が現れます。
脳に転移すると手足がまひする、言葉がうまく出てこない、意識がはっきりしないなどの症状が現れます。肝臓に転移すると、全身のだるさや、体が黄色くなる黄疸が現れ、左右の肺を隔てる縦郭に転移すると、上大静脈が圧迫されて上半身がむくむことがあります。さらに骨の転移では、転移した部位に強い痛みを感じたり、骨折したりします。

肺がんの骨転移で起きる腰痛について

肺がんは骨転移を起こしやすく、進行非小細胞肺がん患者さんの約30〜40%に骨転移が起こるとされています。
また、骨転移は小細胞肺がんに比べ非小細胞肺がんで起こりやすく、組織型では腺がんで多く、扁平上皮がんで少ないといわれています。

肺がんの骨転移の好発部位は肋骨、胸椎、腰椎などで、まれにひじから下、膝から下にも起こります。腰椎に転移すると腰痛を生じ、進行すると骨折を起こす恐れがあります。がんが広がった骨はもろくなっているため、健康な骨であれば耐えられる重さや衝撃でも骨折してしまうことがあります。これを病的骨折といいます。骨転移が起こったら、組織型にかかわらず、病期はIV期(ステージ4)です。

肺がんの転移検査と治療方法は?

肺がんであることが確定したら、がんの広がりを調べるためにCTやMRI、PETなどの検査を行います。

CTやMRI、PETなど検査の詳細についてはこちらをご覧ください。


肺がんでは、診断時にすでに骨転移があることも珍しくなく、約24%の患者さんで診断時に骨転移が認められたという報告があります。


骨転移の治療には薬物治療、放射線治療、外科的治療があります。
薬物治療では、主に骨折を予防するための骨修飾薬、痛み止めとしての消炎鎮痛薬、モルヒネなどの麻薬、ステロイド製剤が使用されます。骨の吸収と形成のバランスをとって骨折を予防する骨修飾薬には、ビスホスホネート製剤と抗RANKL抗体薬があります。また、ストロンチウム-89という放射線を出す薬剤を注射することで、骨転移による痛みをやわらげる方法もあります。
放射線治療は、骨転移による痛みをやわらげ、骨転移が脊髄を圧迫するために起きるまひを治療し、骨折やまひを予防するために行われます。
外科的治療では、骨転移による神経の圧迫を取り除き、弱くなった骨を補強して骨折を予防します。

最近は、画像検査の技術が進歩し、これまでは発見できなかった小さな骨転移も早期に発見できるようになりました。また、鎮痛薬以外に骨転移による痛みに効く薬剤も登場し、痛みの管理は格段によくなっています。骨転移の痛みはがまんせず、医師や看護師さんに相談しましょう。